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ドナーカードの所持+家族の同意という二重の制限、15歳未満の臓器提供を禁止するという世界に例を見ない不備な現行法のために、移植の適応患者が待機中に死亡する症例が後を経たない。



南 和友(みなみ・かずとも)
 1976年にドイツ デュッセルドルフ大学胸部血管外科へ留学し、ドイツで30年間心臓治療の第一線で活躍。心臓手術は約2万件、心臓移植は約1,500件の症例数を持つ、2004年からドイツ・ボッフム大学永代教授。2005年から日本大学医学部心臓血管外科教授。「ハート to ハート ジャパン」副理事長。
 臓器移植法が1997年に施行されて以来、日本にても心臓移植が行われるようになってきた。しかし、ドナーカードの所持+家族の同意という二重の制限、15歳未満の臓器提供を禁止するという世界に例を見ない不備な現行法のために、移植の適応患者が待機中に死亡する症例が後を経たない。1997年4月から2007年2月までに359名に移植適応が判定され其のうち120名が待機中に死亡をしている。15歳以上(304名)の39例が国内、37名が海外で移植になっているが、15歳未満(55名)の症例では国内2名、海外27名とほとんどを渡航移植に依存をしている。しかも移植症例の大半には人工心臓がブリッジのために使用されている現実は、患者の精神的負担は言うまでもなく、多額な医療費の無駄使いでもある。移植医療の進歩した欧米の国々に於いても、ドナー不足から心臓移植では過去10年間で20%以上の症例数減少を見る中で、国民皆健康保険制度の充実するヨーロッパの国々では自国民優先という観点から(ドイツを除いて)外国人の受け入れを中止している。保険外診療の一般化したアメリカでは、日本人患者の受け入れが定期の医療費の2倍以上の金額で認められている症例も報告されるが、このような事例は臓器提供の「平等かつ公正に分配」という原則にも反することではないであろうか。海外渡航移植のための募金に頼って、問題の本質を見つめようとしない限り、日本での脳死移植医療が進展することは無いであろう。














★Webマスターより
南先生のポリシーや情熱が伝わってくる本を、皆様にご紹介致します。

「こんな医療でいいですか?」
ー 日本で行われている医療 ドイツで行われている医療 ー はる書房
南 和友 執筆


<ドイツ在住30年に及ぶ日本人医師(心臓外科医)が、日本の医療に投げかける疑問。>

なぜ、患者は医者の説明に満足できないのか。
なぜ、病院では多くの検査、薬が当たり前となっているのか。
なぜ、問題のある医者が生まれるのか。更新されない医師免許の問題とは。
なぜ、日本の医者は学会活動にばかり忙しいのか。
なぜ、患者は専門医や病院のランキングに左右されるのか。



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